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パワハラの裁判事例を学習しました。
判例研究会の第2テーマでパワハラの裁判事例を学習しました。
誠昇会北本共済病院事件、東京地裁平成16年9月24日判決です。パワハラ裁判の
先駆け的裁判です。
事件は、准看護師の資格を取得した20歳の青年がこの病院に勤務したのですが、上司
となる准看護士が絶対服従を強制し、時間外に遊びにつきあわせ、風俗店の送迎、残業・
休日勤務の強制、上司の家の掃除、子供の世話、買い物、馬券の購入、看護学校の女性
の紹介等を強制し、仕事中に死ねと発言したりして若者を精神的に追い詰めた結果、入社
翌年自宅で自殺した。
若者の両親は上司と病院を相手取って、不法行為および債務不履行(安全配慮義務違反)
を理由に損害賠償請求を起こした。
裁判は、上司に対し1000万、会社に対し500万円の慰謝料を支払を命じる判決を下した。
しかし、逸失利益はなく、慰謝料のみの支払いとなり、21歳の若さで自殺に追い込まれた
損害額の支払いは、電通事件で電通が支払った1億6800万円の損害賠償と比較して少額
と感じました。平成16年当時、パワハラに対する世間の評価が低かったたためと思います。
今では、同じ事件でも取扱いは大きく変わると思います。判例は時代とともに変化するので
この判決を教訓に改善することが望まれます。
江川社会保険労務士・FP/行政書士HP
江川HP(2)